座付き作家Qui-Taの『大山鳴動してカメ一匹』

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zoom RSS 世界遺産 ヴェネツィア展

<<   作成日時 : 2011/12/05 23:26   >>

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2011年12月3日(土) その3

<江戸東京博物館>
日暮里から山手線で秋葉原へ、そして総武線に乗り換え両国に付いたのは、日もとっぷり暮れた16:47。

いかん、開館時間は17:30まで。最終入場は17:00。走れ〜と向かった先は、江戸東京博物館。

ぎりぎりセーッフ(古い?)で1F受付カウンターで切符を買い、「まだ、入れますよね」と念を押すと、

「本日は、19:30まで開館しておりますので、ごゆっくりご覧下さい

な〜んだ、そうか…って、どこに書いてあるんだ、そんなこと 焦って損しちゃったじゃないかっ

とはいえ、どこに書いてあるかを探している時間がもったいないので、早々に展示会場へ。

<ヴェネツィア展>
今回の展示会は、チラシから引用すると
世界遺産「ヴェネツィア」の黄金期から爛熟期まで、至極の芸術作品が前例のない規模でまるごと日本上陸

したのだそうで、おおよそ16世紀〜18世紀、ルネサンス期から近代に至る時代の作品を中心に約140点が展示されています(その前後の時代も少しあります)。

絵画はもちろん、衣服その他の装飾品、陶器(マジョリカ)、ガラス細工(ムラーノ)、貨幣などから、当時のヴェネツィアの富、文化・風俗・生活、技術水準などがうかがわれます。

ちなみに、ヴェネツィアの軍事力や商業的繁栄は13世紀に一つのピークを迎えると言えますが、芸術はそれよりも遅れるということでしょうか。

展示は、年代順というよりテーマ別になっていて、

第1章 黄金期
第2章 華麗なる貴族
第3章 美の殿堂


という構成になっています。どういう括りなのか、はっきりとは分からなかったのですが、おそらくは…こんな感じだと思います。

第1章 黄金期
海洋都市ヴェネツィアの特徴と繁栄がよく伝わるものが中心。ヴェネツィアの象徴である有翼のライオン、船舶の絵画、都市の情景(建築物・広場)、地球儀、望遠鏡、貨幣、軍事・行政に関わる書類(委任状)など。

第2章 華麗なる貴族
貴族の生活様式・風俗その他がよく伝わるもの。風俗、日常生活・イベントの様子を描いた絵画、調度品(陶器、ガラス細工)、装身具、ゲームなど。

第3章 美の殿堂
貴族たちによって蒐集され、パラッツォ(邸宅)に飾られたコレクション。肖像画、風景画、宗教画など。


チラシには「史上まれに見る規模」とも書かれているのですが、どちらかというとコンパクトな美術展という印象を受けました。

<人と街:くらし>
ただ、画家に焦点を当てた絵画展や、美術館・収集家のコレクションというタイプの展示会と違って、ヴェネチアという都市の歴史と姿が浮き彫りになってくるところが非常に面白かったです。

私みたいに、審美眼はもちろん、美術関連の知識がまったくない者には、今回のように「背景・歴史」から作品を理解できる美術展のほうが、むしろ楽しめるのかもしれません。

あ、それから、一つ気づいたのは、絵画の対象が、圧倒的に「人間」や「社会」で、宗教画が非常に少なかったこと。ある絵の説明では、肖像画がブームになった時期もあったとのこと。提督のような特別な地位にあった人だけでなく、老人、若い女性、少年と犬、さらに老若男女が集う家族(親戚一同?)の肖像など、とにかくさまざまな顔をした「人」が印象に残りました。

今回のコレクションがたまたまそうだったのか、ヴェネツィア芸術の一つの特徴なのか、ルネサンスの影響なのか、とにかく家庭や街での「生活」の様子が明るく生き生きと楽しげに描かれている、という印象を強く受けました。

もう一つ。爛熟し、華美になっていく芸術と都市の衰退…という文脈の説明があちこちに書かれていたのですが、しかし、その後の絶対王政時代にヨーロッパ大陸で花開く王宮・宮廷芸術に比べれば、むしろ実際的・実用的で質素な印象を持ちました。いや、質素というより、…華美さや派手さはないけど、オシャレだった、というほうがピッタリくるかもしれません。いかがでしょうか?

<絵画の運命>
ここで、ウンチクを一つ。冒頭のチラシに使われている絵ですが、ヴィットーレ・カルパッチョ(1460/65年頃〜1525/26年)の作品で、板に描かれています。

この絵、長らく「高級娼婦」と呼ばれていました。ならば、客待ちの1シーンということでしょうか。

しかし、1963年に大発見が!

絵の左上端をご覧下さい。テラスの手すりの上に、花瓶が描かれていますが、肝心の花が茎のところで切れています。そんなのって、あり? そう言われてよくよく見ると、「ありえなくね?」という構図に思えてきます。

そう、この絵には続きがあったのでした。「ラグーナでの狩猟」と呼ばれるその絵には、下3分の2ほどのスペースで、ラグーナ(潟)に小舟を出し、弓矢で水鳥を射ようとしている人々の姿が、上3分の1ほどには遠景として山と空が描かれています。

そしてそして、何とも奇妙なことに、絵の左下端に、でっかい百合の花が描かれているのです。

この2つの絵を上下につなぐと、百合の花がピッタリ合ったのはもちろん、使われている板材も同一のものだということが分かりました。

つまり、誰かが切っちゃったのです、真ん中で。

こうして1つの絵として研究が進んだ結果、この2人の女性は高級娼婦ではなく身分の高い女性で、ラグーナへ狩りに出かけている夫なり恋人なりをテラスで待っているところ、…ということが分かり、現在この絵は「二人の貴婦人」と呼ばれています。お二人さん、よかったですね。

なお、板材の側面には蝶番の跡も見られることから、この絵はもともと大きな家具の扉か衝立(ついたて)の一方で、この絵と対になる絵があり、それによって全景が現れる…はずなのだそうです。残念ながら、そちらは見つかっていないようです。

この絵は今回の美術展の目玉の一つでもあるようで、展示場でも大きなモニターで解説映像が流されていましたし、カタログにも特別に小冊子がつけられていました。

このヴェネツィア展は、今週末の12月11日(日)まで。興味のある方は、ぜひどうぞ。

       *  *  *  *  *

おおっと 「こじんまりとしてるし、のんびり見られるや」、と思っていたら、もう18時じゃありませんか

急いで会場を出て、カタログとヴェネチアの定番お菓子だという「オレンジピールとチョコチップのクッキー」を買うと、私は最後の目的地・阿佐ヶ谷に向かうべく、駅へと急いだのでした。

ちなみにクッキーですが、私はまずまずだと思ったのですが、嫁さんは「…フツー」、娘は「…キライ」と、ちょっと残念な結果でした。私は、まずまずだと思いますよ。

では、つづく

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
久しぶりに覗いたら・・・
あぁ〜この絵、観に行きたかったんですよね。
ってか、とっくに終わっちゃってるし・・・

十数年前に新婚旅行でベネチア行ったときに、この絵を目当てにコッレール美術館に入館しました。
もうあそこに帰っちゃったのね
yurisuzu
2012/03/06 12:27

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