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zoom RSS 観劇日誌:演劇レーベル ボータンツ『Bonehead[失策]』

<<   作成日時 : 2011/12/04 13:38   >>

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2011年12月3日(土) その2

さて、池袋を発った私は、山手線で一路、日暮里へ。 続いてのご報告は…、

観劇日誌 演劇レーベル ボータンツ
「Bonehead[失策]」(再演:初演は2008年) 
作・演出:はなださとし 於:d-倉庫(日暮里)

<ご紹介>
この作品、当ブログでも何度かご紹介してきました同劇団「7つの大罪」シリーズ(これあれ)のスピンアウト・ストーリーとのこと。

というのも、シリーズでは麻薬取締官・梯鳥(でどり)の向こうを張るもう一方の主役、捜査一課特殊班の剣崎龍太…と言われながら、いっっっつも事件の解決やらラブロマンスやらの美味しいところを梯鳥に根こそぎもっていかれてるじゃないのっ という不平不満が(私が文句を言う前から)あったらしく、ならばと剣崎主役の物語を作ったとか(かな?)。

たしかに、今回は剣崎が故郷・北海道に飛び、高校時代(野球部)の同窓生と絡み合いながら事件の謎を追っていきます。そして、その過程で剣崎の過去が明らかになっていくとともに、高校時代の最後の試合における思い出=[失策]が現在の事件と重ね合わせられていきます。

とまぁ、剣崎=高橋ファンとしては、ひとまず溜飲を下げる作品になっています。ただし、ラブロマンスのほうは元チームメイト(ショート)の真壁と元マネージャーのブリンクとが、親子の物語は同じく元チームメイト(ピッチャー)の岩城とその娘・圭子とが担当しており、…剣崎はやはり孤独なのでした。

<あらすじ>
さて、本作品のあらすじですが、今回もまた豪華オールカラーパンフレットが配られましたので、そこから引用させていただきます。
北海道警の警察官が麻薬不法所持で逮捕された。組織犯罪対策局生活安全部生活経済課の警部、岩城圭昭である。この道警始まって以来の「不祥事」の裏に、組織的不正が隠れていると睨む警察庁長官官房人事課監察官の馬橋裕介は、捜査一課特殊班に所属する剣崎龍太に、腹心の監察官室捜査官である藤代夏樹と共に札幌に内偵調査に向かうよう命ずる。逮捕された岩城は剣崎の高校時代の友人であり、共に甲子園を目指し白球を追っていた野球部員であったのだ。

道警との癒着が疑われている暴力団、稲森会小暮組のヤクザども。秘密を握ったまま行方知れずとなった岩城の一人娘の圭子。偶然にも事件に巻き込まれてしまうゴスロリ少女バンド「In This Moment」の面々。様々な人々を巻き込みながら、事態は予想も付かない方向へと転がり始める…。

果たして剣崎は、道警の不正を隠蔽するために「トカゲの尻尾」として切り捨てられようとする岩城を救うことが出来るのか?


今回は、化学薬品やら銃器やらの専門用語が出てこないので一安心…と思ったら、代わりにゴスロリ(が何なのかも分からないのですが)ファッション用語に楽器用語がズババババッ と出てきて、これを放つゴスロリ・バンド&ショーパブ「In This Moment」が物語の半分くらいを担っているので、こっちのシーンでは、しばし脳みそが休憩してしまいます。

しかし、後半の展開力&加速力はいつもながらなので、ぐんぐん引き込まれていきます。

<観どころ>
まだ公演中なので、ネタばらしするわけにいきませんが、一つだけ。

立ち去ろうとする剣崎の背中に叫ぶ圭子マリア

私のパパは、ピッチャーで、4番で、本当に格好良かったんだからっ

完全に不意を突かれ、思わずグッときてしまいました。この一言で、観客に伝えるべき父娘十数年分の情報を表現してしまいました。お見事っ! です。

あ、それから、帰り際には、こんなものも買ってしまいました。
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ゴスロリ・バンド「In This Moment」のブロマイド的ポストカード。1枚100円、7枚セットでなんと500円。ボータンツの誇る奇麗どころが勢揃いって感じです。

ご希望の方は、劇場でお求めください。

なお、舞台後の挨拶によれば、来年は「7つの大罪」シリーズが完結する(よう頑張る)とのこと。このブログでも、またご紹介させていただきます。

<つづく>
閉幕後、高橋さんとはなださんに挨拶をした私は、エヒラとも顔を合わせたものの、早々にお暇して日暮里駅へ。

早くも暗闇に包まれつつあるなか、私は両国へと向かうのでした。次の目的地は…

つづく

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
毎度、詳細で分かりやすく、且つ心温まるコメントを頂きありがとうございます。
「パパはピッチャーで、4番で。。。」の台詞にグッと来ちゃうのは歳を喰った証拠かなぁ、と江平が私に漏らしておりました。
実は演出であるハズの私も、この台詞にグッと来てしまい、しばしば演出が疎かになってしまいました、とさ(-。-;
はなださとし
2011/12/12 13:20
ひゃあ〜、はなださんにコメントをもらってしまいました…っていうか、読まれてしまいました ボータンツ関係者に読まれるとは思わず、好き放題に書いてきたので、まずいっ、はずかしいっ

それはさておき、いやぁ、私なんか、このブログの「パパは〜」を読み返すだけで、目頭が熱くなり、鼻水が垂れそうになります 

今回の作品では、岩城について、「不正をはたらいた警官」「妻の最期に立ち会えなかった夫」としての側面が「高校野球部のエースピッチャー」という側面と対比されながら分厚く語られます。その一方で、圭子が「父としての岩城」をちっとも語りません。

それは、ストーリー上の仕掛け(謎解き)にもなっているのですが、あの一言への布石にもなっていて、「パパは〜」で観客は少女時代の圭子と岩城との関係をぐわぐわぐわっ! と想像し、台詞の欠如による空白をすっかり埋めちゃう&あえて語られなかったことの意味を悟っちゃう、という仕掛け(感動)にもなっているんですよね。

よく経営コンサルなんかがやるパワポのプレゼンで、「この1枚でクライアントを納得させてしまう」ような一撃必殺のシートを「キラーシート」と呼ぶそうですが、あえて使い回せば、‘killer words’とでも言うんでしょうか、あの台詞。

いろんな意味で、「やられたっ」と思ったシーンでした。
Qui-Ta
2011/12/13 00:38

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